いまどきの帰国生という朝日新聞のシリーズ。元帰国生を抱えた母親として興味深い内容でした。
1987年にシカゴから子ども達が戻ったころ、彼らは「帰国子女」と呼ばれていました。「帰国子女問題」がドラマにもなった時期から1、2年後のことでした。「僕、日本に戻って大丈夫かな・・・」と言った息子のことばを今でもはっきり覚えています。
私たちが海外駐在生活をしていた1980年代、ほとんどの親達は子どもの日本語能力をしっかり保つことに努力するようになりました。それまでの世代は、子どもに外国語能力がつくことを、手放しで喜んでいたようなところがあり、それが帰国後の子ども達にとって大きな「問題」となっていたのです。
そして、「バイリンギャル」などという表現があった時代を経た現在、帰国生は外国語が話せる、貴重な存在、グローバル人材として日本社会にも受け入れられるようになってきたようです。
37年前に帰国児童の特設学級の担任をしていた方の投書も目に留まりました。
彼らは「小さな国際人」と言われ期待されたが、実際は「外国語はがし」「日本化」を図ることに主眼が置かれがちだったことは否めない。グローバル化が進む時代になってやっと彼らの出番が用意されたのだ。多様性や国際感覚を身につけた彼らが、日本の学校に刺激を与えることを期待したい。
娘が転校することになった公立小学校の教頭先生が「日本語話せますか?」と面倒な転校生が来た、と言わんばかりの態度で聞かれたことば。これも私の耳に残っています。
おかげさまで、わが家の帰国子女は立派なバイリンガルになりました。生活の場はアメリカですが・・・
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