7月に亡くなった堀場製作所の創業者堀場正夫さん。ユニークな視点の経営者で、自らの「50歳社長定年説」の通り、53歳で経営の一線を退き、起業家を育てることに力を注いでいらした方でした。京都の政界、経済界のまとめ役としての堀場さんの存在は大きなものでした。
私は3年前、堀場さんにお目にかかっています。
私の父方の祖父が堀場さんが起業なさる時のサポーターだったのです。一度ぜひお話を伺いたいと思っていたのですが、なかなか機会がありませんでした。堀場さんをよく知っていらっしゃる方が連絡してくださって、やっとお話を伺うチャンスができました。
京都大学の学生だった堀場さんが会社を作ろうとした時、堀場さんのお父さんの知人だった祖父が資金面での援助を含めて色々なアドバイスをしたようです。起業の最初の段階からしっかりした組織作りを要求され、そのハードルの高さに戸惑ったこと。でもその努力が会社のスムースな成長につながったとお話なさいました。
晩年の堀場さんは、しっかりした意見を持った若者に対して惜しみない援助をしていらっしゃったようです。小さな集会にも出かけてお話もなさったとか。堀場さんがなさったことは、私の祖父がしていたことと同じです。若い人からの手紙に、丁寧に返信していた祖父を思い出します。
人を育てる大切さを身を以て示した大きな存在の堀場さんと堀場さんを育てた私の祖父。改めて人のつながりの大切さ、不思議さを教えてもらったように思いました。
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