いつのことだったのか、随分前になるので、お目にかかった年はわかりません。でも暖かいお人柄は今でもはっきり覚えています。「使い捨て時代を考える会」を1973年に立ち上げた槌田劭(つちだたかし)さん。誰に紹介されたのかも忘れましたが、当時、活動拠点だった京都大学近くのお宅を訪問し、当時まだ珍しかった有機農法についてお話を伺った私でした。
「消費が美徳といわれた世の中の流れを見直し、大量生産・大量消費、公害や資源の枯渇を招いたりする暮らし方を変えていくことを基本理念とする」とは、「使い捨て時代を考える会」の理念です。エコという考え方など、全くなかった70年代前半から、活動がスタートしていたのですから、時代を見る眼の確かさを感じます。
便利さに流されることなく、 これからの生き方を真摯(しんし)に考え続ける槌田さん。「将来、電気が足りなくなる時が来るかも知れない。少ない電気を奪い合うのでなく、分かち合う中で幸せを紡ぎ出していきたい。人間にはそうした“生きる力”がある」という言葉、しっかりかみしめたいものです。
月刊 現代農業2011年11月号 食べることが責任を取ること:
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