五十音表のトップに「あ・い・う・え・お」の母音(ぼいん)が並ぶ日本語。カ行以降は子音(しいん)との組み合わせで音を作りますが、発音する時、子音と母音の長さの比は1:4ぐらいで、母音が長くなります。特に、関西圏の言葉は母音をしっかり発音し、一つの母音の中で高低をつけるほど。
「木」 や「気」ということば、標準語では「KI」と単純に発音しますが、京都の私の友人は「KI~」と母音を揺らして発音します。
母音をたっぷりした音で出すと、感情表現が豊かになり、他人とのつながりが生まれてくる、という説を新聞で読みました。現在、日本のこどもたちの言葉は子音が目立つようになり、浅い呼吸で甲高い声が増えている、テレビ番組でもそのような声があふれているというのです。
のどをしっかり開いて、声帯を震わせて作るのが母音。滑舌(かつぜつ:ことばの明瞭さ)を作り出すのは子音であっても、母音の中に含まれる音の響きが豊かな感情を伝えているはず。関西弁だけでなく、方言で話される日本語が、標準語にはない何かを感じさせるのは、こんなところにも理由があるのかもしれません。
英語の早期教育が取りざたされる昨今、自分の感情をしっかりと母国語で表せるこどもたちが増えてくれないと、日本は危ない、なんてことも思ってしまうのですが・・・
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