在宅介護をする前、母がお世話になっていた施設に一人の元気な看護助手さんがいました。いつも、「いらっしゃい」と私を迎えてくださり、母の様子をあれこれ教えてもらっていました。明るい声で入所者に声をかけるこの看護助手さんに会うのが私にとっても楽しみでした。
ある時、この方の年齢を聞いて仰天しました。70歳を越えていました。若々しくて、小柄な外観からはとても想像できない年齢です。私が知っているだけでも、それまで15年ぐらいは働いていらしたのですから、その体力、気力にはただただ脱帽でした。
おまけに、自宅では軽い脳梗塞を起こしたご主人がいらっしゃると聞いて、またまたびっくり。「家にじっとしてたら、気が滅入るもの」とさらっとおっしゃるこの方は、ご主人の世話はしっかりこなし、食事も全て用意して仕事に出かけるのが当たり前なのだそうです。数年前までは夜勤もこなしていらしたのですから・・・
超高齢化の時代を迎え、介護や看護の人材が足りなくなっている現状。福祉関係の学校を卒業しても、介護の現場には就職しない若者たち。たとえ就職しても厳しい労働条件や低賃金で離職率が高いのも事実です。 そこで「元気高齢者」に介護を支えてもらう取り組みが始まっているようです。
介護や看護の仕事には、体力が必要な身体介護だけでなく、食事介助や散歩の付き添いなど、比較的高齢の人でもできることがたくさんあります。若い人たちと高齢者の介護チームが上手に仕事を分担していくことで、介護現場のマンパワー確保をしようとする施設や病院が出てきているそうです。
70歳を超えても、看護助手としての仕事の全てをこなしていた上記の方は例外かもしれません。ですが、やる気のある「元気高齢者」が生かされる場ができれば、今後のみんなの安心にもつながることだと思います。
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