母の在宅介護を支えてくださった近くの診療所の先生がおっしゃいました。「もし何かが起こった時、救急車を呼ぼうと思うのであれば、在宅介護はしない方がいいですよ。病院のような救急治療はできません。でもそれでいいのであれば、しっかりお手伝いしますよ」と・・・
訪問入浴の最初の日にも、担当者が私の気持ちを確認しました。「入浴途中で急変しても、救急車は呼ばない」ことを。
現代の医療は「治療」を目的としていますから、どんな状況になっても、何らかの処置をします。老人が食べられなくなったら、胃に直接栄養を送り込む「胃瘻」(いろう)もその一つ。少しでも長く生きていてほしいと思う家族は、「どんなことをしても」と医療に望むのでしょうが、果たして本人にとって、それが正解であるのかどうか。
2010年7月21日けやき便り: 胃瘻でもお名前を書いた石飛幸三医師が、「平穏死」について、「寿命の最期に何もしなかったら一体どうなるかを医学は知らないのです。苦しまず静かに、しぼんで乾いて最期を迎えるんですよ」と書いていらっしゃいました。「老衰の生理学」を理解した医師が少ないとも。
平均寿命が延び、元気に年を重ねる人も多くなっている現代。自然に死を迎えることがかえって難しくなっているのかもしれません。
「平穏死」を身近に経験した私が、母の旅立ちの後に書いたブログです。2010年12月26日けやき便り: 自宅で看取るということ
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