2011年9月21日水曜日

寝たきり住宅

「食事が必要な方は入居できません」とパンフレットに書かれた有料老人ホーム。何のことだかおわかりになりますか?

口から食べられず、胃にチューブを通した胃瘻(いろう)の寝たきり高齢者だけが住むところなのだそうです。この文章を読んでいて、我が目を疑った私です。「そんなことが(ところが)あっていいの!」

「胃瘻アパート」とも呼ばれるこの異常な状態の施設。病院には長くいられない。胃瘻の人も介護できる特別養護老人ホームには空きがない。まともな介護付き有料老人ホームに入るお金がない。家族が引き取って介護できない・・・そんな寝たきり高齢者の受け皿となっているのだそうです。

この「寝たきり住宅」を紹介した朝日新聞の社説には、「何よりも、口から食べられるようにする努力をしない介護の姿勢に怒りを感じた」と記します。

入院期間をできるだけ短くして医療費を節約し、地域での介護を充実させる、という「社会保障と税の一体改革」。それをいかに実行していくのか、現実は厳しいようです。

私たち一人一人が「どんな老後を過ごしたいか」と自分自身に問いかけることから始めて、現在の状況をしっかり学んでいかなくてはいけないと思います。

2 件のコメント:

terri さんのコメント...

随分前にKドクターが、病人を
寝かせて、眠らせて、ということが
平気でされるようになる、と
言われたことがあり、
信じられない思いでしたが・・・

その後、実際に、それに似た介護を
見聞きして、寒くなりました・・・

gorosatomama さんのコメント...

介護の現場の厳しさを「たった」半年でしたが、経験した私です。条件の悪い中、がんばっているヘルパーさんや看護師さんもたくさんいらっしゃるのですよね。

でも、「信じられない」状況の現場もあるはず。それは現場の人たちのせいではなく、そういうふうになってしまう(させてしまう)私たち一人一人のこころと、現在の医療システムが原因なんだと思います。

自分の家族にはそうはさせたくない、そう思ってしまうのは、悲しいですね。