左手の5本の指だけが生み出す音楽。その豊かさ、暖かさに久しぶりにテレビにくぎ付けになった私です。
2002年脳溢血(のういっけつ)で右半身不随になった世界的ピアニストの館野泉(たてのいずみ)さんIzumi Tateno。3年後には左手のピアニストとして音楽会をひらくまでに回復。同じ境遇のピアニストのために多くの音楽が生まれるように、寄付をつのり、作曲家たちに依頼して「左手のためのピアノ曲」を生み出してきた方でもあります。
両手でピアノを弾くとき、ほとんどのメロディーラインは右手が受け持ちます。左手の5本の指から、メロディーと伴奏が生まれ、時には複数のメロディーが聞こえてくるのですから、その豊かな表現力にはただただ感心するのみ。
ラヴェルの「左手のためのピアノ協奏曲」ではオーケストラと競演。ボリュームたっぷりの演奏はとても左手だけとは思えないものでした。
他の楽器と違って、一人でメロディーと伴奏が弾けてしまうピアノ。ともすれば、それぞれの音の響きをしっかり聞くことなく弾いてしてしまいがち。もっともっときれいな音を出してみたい・・・今日はこころからそう思いました。
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