全日本吹奏楽コンクール出場の常連校、淀川工業高校吹奏楽部のドキュメンタリーをNHKテレビで偶然目にしました。
50年以上、この吹奏楽部を指導する丸谷明夫先生。入部する一年生の半数以上は、中学校までに音楽経験はなし。自分の楽器を手にして、一からのスタートです。朝6時半に当番の生徒が校門を開けて「朝練」の開始。授業の合間、夜の9時近くまで練習が続くとか。先輩と一緒に一つのフレーズを何回も何回も繰り返す練習。少しでも先輩の音に近づこうと、必死で練習する下級生。彼らへの丸谷先生の叱責はいつも厳しくて、涙することも度々。
ドキュメンタリーのタイトルは「息は自分の心〜淀工吹奏部の3ヶ月」。「上手に演奏する」ことよりも、自分を表現する音を問い続ける丸谷先生。
高校三年生にとって、最後の演奏会に向けての練習の日々。後輩たちの練習にもこころを配ります。大阪のフェスティバルホールを会場にしたすばらしいコンサート。人生で最初で最後の大舞台。開演前から、生徒たちの気持ちは大きく高ぶっています。そして、終演。丸谷先生を囲んで、涙、涙、涙・・・
二度と楽器を手にすることのない生徒もいることでしょう。高校での三年間「自分の音」を求め続けた彼らは、きっとこの貴重な経験をこれからの人生に活かしていくはず。
暖かな余韻を残してくれた30分の番組でした。
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