2013年1月25日金曜日

「福島、飯舘 それでも世界は美しい」

久しぶりに一晩で一気に読みきった本です。


著者の小林麻里さんは2004年39歳での結婚を機に、福島県飯舘村(いいたてむら)に移住し、自然卵養鶏をご主人と営みます。そのご主人が2007年、肺がんで3ヶ月の闘病で急逝。地域の仲間に支えられながら、少しずつ自分の生活を作りつつあった時に3・11を迎えることに。

大きな揺れ、その後の原発事故による混乱。読んでいて胸が痛くなる状況の中、「放射能よりも恐ろしいのは心が壊れてしまうこと」と考え、福島市の福祉NPOの職場での事務の仕事を続け、飯舘村の家に週末に戻る生活を続ける小林さん。

お互いに支えあった飯舘村の仲間の多くが去ってしまっても、ご主人が亡くなったその場所が自分の戻る所と心に固く決めて、自然とともに暮らす様子が書かれています。

飯舘村から逃げないのは自分自身から逃げないことだという小林さんは、放射能に汚染された飯舘村の自然の美しさに改めて気づきます。そして、そこに生きる鳥や虫に心を寄せ、すべての命が連なっていることを想うのです。

「それでも世界がこんなにも美しいのはどうしてなんだろう」

「天はまだ私たちを見捨てていないのだ、私たちは奇跡のような世界に生かされているのだ」


抜き書きしたい文章が一杯です。ブログで全てをお伝えすることは無理です。多くの方々に読んでいただきたい一冊です。

0 件のコメント: