"I SHALL NOT HATE" 日本語のタイトルは「それでも、私は憎まない」。著者のイゼルディン・アブェライシュ氏はパレスチナ難民としてガザに生まれ育ち、猛勉強と努力の結果、イスラエルで初めてのパレスチナ人医師になった人。イスラエルの病院でパレスチナ人とイスラエル人の両方を治療していた、そのアブェライシュ氏のガザの自宅が、2009年1月イスラエル軍によって爆撃され、三人の娘と姪一人がなくなる。
爆撃の直後、イスラエルの友人たちに助けを求めたアブェライシュ氏が語ったことば、「私の娘たちが最後の犠牲者でありますように。ガザで我が子を失った父親として、今回の流血の即時停止を呼びかけたい」はイスラエル全土に流され、その二日後にイスラエルとパレスチナの停戦協定が結ばれたのでした。
私がアブェライシュ氏のことを知ったのは、2014年3月の新聞記事。「それでも、私は憎まない」の日本語訳が出版された折に日本訪問が実現したというものでした。すぐにその本を買って読んだ私。ブログにも掲載していた・・・と思って検索してみると、彼の名前が出てきません。本を読んだ当時には書けなかったのです、きっと。
アブェライシュ氏に「再会」したのは、手元に届く雑誌の2月号。肩書きは「医師・トロント大学准教授」。「残された5人の子どもたちとカナダに住み、娘たちの追悼募金で中東の少女たちの教育を支援している」と2014年の新聞記事にもありました。
今回の記事にあった「憎しみ」hateと「怒り」angerとの違い。とても納得できるもの。長くなりますが引用します。
憎しみは毒です。その毒は身体のなかを巡り、そしてまた暴力を生みます。憎しみの連鎖は、世界を破壊します。ですから憎しみにとらわれてはいけません。憎しみにかられると、視野が狭まり、何も考えられなくなるのです。
怒りと憎しみは違います。この世の中で起きている不条理に対して怒ることはとても大事なこと。前向きな行動を起こす、その源となるのが怒りです。憎しみは自己を崩壊させる病気です。誰しも健康に生きたいはずですから、みなさんはそういう憎しみには決して近づかないでください。
もう一度本を読んでみようと思います。新たな気づきがきっとあることと思います。
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