NHKの「こころの時代」。ミャンマーの軍事政権下で6年の獄中生活を送った女性マ・ティーダさんのお話、「独房で見つめた自由」
家族や友人だけでなく、ふれあう全ての人のことを毎日祈り続けていたという母親。人種にこだわることなく、市民として、いかに生きていくべきかを説いた父親。仏教徒として、宗教が生活に溶け込んだ家庭で育まれた幼い日。
民主化運動の中で逮捕され、独房で完全に自由を奪われた時間を過ごした20代後半。その中で、自分が自分自身であることは誰にも奪われないことを悟り、一日の大半を瞑想して自分を見つめ続けて過ごしたという。
彼女のその姿を見た看守が「あなたは私よりも自由だ」と言ったとか。
「あの拘束の時間が私を育てた」と語るマさん。想像を絶する環境で自分を持ち続けた人の語り口はとても穏やか。
現在のミャンマーの人々が自由の本当の意味を知ってほしい、と願い、正しい情報を提供する雑誌の出版をしたり、本業の医師として、差別されたイスラム教の人たちへの無料の病院でボランティアを続けている。
本当の民主主義国家になるためには市民一人一人が自分の未来を決める権限を持っていることを自覚しなければいけない、と話す。それは仏陀が伝えたかったことでもある、と。
6年間見つめ続けた自分が今、何をなすべきか。周りの声に惑わされることなく、芯の通った彼女の生き様を示してくれた一時間の番組。
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