彼に関して、宗教学者で「ありがとう禅」の実践家である町田宗鳳氏の文章です。自分の力を越えたものとつながっている人の強さ。ジョコビッチの場合は、コートそのものが持つマナの力、つまり霊的なものを実感として知っているということなのです。
とかく私たちは「自分がやった」「自分の力があったから」というように考えがちですが、その力がどこからきているのか、そこに思いを馳せることができる人が真のチャンピオンになれるということでしょうか。
今年もウィンブルドンテニスの優勝者は、セルビアのジョコビッチでした。日本では錦織選手に圧倒的任期がありますが、その実玉の差は歴然としています。やはりセルビアのような貧しくて、長く紛争に苦しんできた国からのし上がってきた選手の底力を感じさせます。
私が感動するのは、ジョコビッチ選手が優勝するたびに、コートの芝生をムシャクシャ食べることです。ふつうならこんな時、欧米選手なら胸でイエスに十字を着るはずです。彼はそれをせず、芝生を食べるのです。彼がコートのアニミズムを理屈ではなく、体で理解しているのです。彼が優勝したのは、技術でも体力でもなく、コートのマナの力を見方にしたからです。そのへんの感覚を理解しないかぎり、錦織選手はどれだけ練習をつんでも、ナンバーワンにはなれないと思います。
2015.7.13町田宗鳳ブログ:日々新た 「芝を食べるジョコビッチ」より
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