海外の旅行が大好きだった母でした。お仲間との旅や、一人で団体旅行に申し込んだり、結構マニアックな旅にも出かけていました。生涯で訪問した国の数は私よりきっと多いと思います。80歳を過ぎてパスポートを更新する時にも「10年にしようか」と言った母でした。
マメな母でしたから、旅行後は、写真や記念のものをきれいにアルバムにまとめていました。それを楽しんで見てくれた父がいたから、作業も念入りだったのだと思います。
呼吸器のトラブルで海外旅行はほとんどできなかった父でした。でも、母の旅の話を聞くのがとでも好きでした。自分の病気のために、母が海外旅行をあきらめることはしてほしくなかったのです。「僕は病院で留守番しているよ」とあっさりと母を送り出していました。
私の手元に、母の旅行のアルバムが沢山残っています。「私以外には意味のないアルバムだな」と生前、母が言っていたことがありました。確かに、その旅そのものは私にとっては縁のないもの。でも母と父がそれを見ながら楽しんでいたことを知っている私にとって、なかなか処分できない思い出の品となっています。
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