私が一つだけ「ちょっと・・・」と感じたこと、それは「闘病者」ということばでした。患者さんのことをそう呼んでいました。「ファイティングスピリット」がガンの治療には大切だという英語の文献を翻訳して発表したこともありました。「負けてはいけない、前向きに」だったのです。
自分の細胞の異常繁殖がガンだとすると、その闘う相手は「自分」なのでは、と思ったことが私の違和感の原因でした。
「医師と僧侶が語る 死と闘わない生き方」を読みました。芥川賞作家、僧侶の玄侑宗久(げんゆうそうきゅう)さんと、外科医として新しい療法を次々に手がけてきた土橋重隆(つちはししげたか)さんの対談です。
医療について、生き方について、そして死について。私にとってこころから納得できる内容が続きました。本の帯に書かれている目次の文章を書いておきます。
・第一章 排除するだけでは病気は治らない
ー 病気はその人の中で意味があって起こる
・第二章 死と闘わない生き方とは
ー 死は「無くなること」ではなく「どこかへ行くこと」
・第三章 ガンになる「性格」「生き方」がある
ー ガンによって生き方が変わったとき、治る
・第四章 医療の仕組みがこわれる時
ー 病気ではなく「人」を診てほしい
・第五章 「死後」と向き合う
ー ここが浄土にもなり地獄にもなる
・第六章 ガンは「概念」の病気
ー ガンは考えすぎることで起こる
・第七章 「不二」(ふじ)の思想と出会うー ガンは考えすぎることで起こる
ー 「病気は悪いものだ」という考え方をやめる
2012年9月12日 玄侑宗久さんの本について以前に書いたブログです
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