2012年4月19日木曜日

胃瘻(いろう)

けやき便り: 胃瘻:    母の介護を続けていた、2010年7月21日に胃瘻のことを詳しく書きました。胃瘻とは「おなかに穴を開けて胃へ管を入れ、水分や栄養をとる方法」です。

胃瘻をつけた認知症の90歳の祖母を家族で介護して見送った方のコメントを新聞で読みました。胃瘻をつけたあとも口からの刺激を続けて、一年後には白いご飯を口から食べられるまでになったのだそうです。

「胃瘻をつけずに死までの時間をカウントダウンしていくのか、それともつけて、わが家のように幸福な時間を生み出す命綱とするのか。この違いは実は、家族が終末期にどうか関わるのかによるのだと思います。」

「つけるときめたからには、家族は使いこなす努力をすべきです。“介護は無理”と施設に送るくらいだったら、つけるべきではない気がします。」

そのおばあさんは、94歳になり、食べものを口に近づけても口を開けなくなり、体が食べものを受け付けなくなったと判断した家族は、全ての医療行為と、胃瘻を使うことをやめ、その後10日でおばあさんは亡くなりました。

「家族の最後の責任は“終わり”のサインをキャッチすることだった。」というコメントには、最後までしっかり介護ができたという満足感が現れているようです。しっかり「見送る」ことができた、という想い、それは残された家族にとって、最大のごほうびだと思います。


 

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