2010年7月30日金曜日

国技

7月25日の日曜日、本来なら名古屋場所の千秋楽(せんしゅうらく)を放送している夕方の時間帯に、「大相撲再建」というラジオ番組がありました。視聴者の声も紹介しながら、数人のコメンテーターが大相撲をいかにすべきかを話し合っていました。

野球賭博(とばく)をしていた日本人力士の謹慎(きんしん)で、名古屋場所では幕内力士のうち、外国人力士の数が日本人力士を上回ったと新聞にありました。上位陣は、ほぼ外国人力士で占められていました。

名古屋場所を一人で支えたと言っても過言でない横綱白鵬。優勝後のインタビューで、悔し涙をこらえきれなかった、その姿を写真で見ました。

相撲は日本の国技だから、外国人力士の数を規制すべきだ・・・今まで何度も耳にするコメントです。日本人の力士志願者が減る現状では、外国人力士の数が増えるのは当然なのだと思うのですが。

外国出身であることが、どこまでいってもつきまとうのが日本の社会です。大学院卒業後、ずっと日本で過ごしている元中国人留学生が、転居の際に、「外国人」 として扱われたことを話してくれました。日本の社会で、日本人以上に日本人らしく(ことばも含めて)、活躍している人なのに・・・

出身がどこであれ、日本を生活の場として選んでくれた人は、私たちの大事な仲間です。日本を良くするために一緒に努力してくれる人たちです。そう信じていきたいのです。

「この国の横綱として、賜杯(しはい)だけはいただきたかった」と口にした白鵬。

「相撲協会は、危機を一人で背負える大横綱の存在に感謝しないといけない」
26日の天声人語はそう結ばれていました。

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