私が小学校の頃に住んでいた家の斜めお向かいはお医者さまでした。祖母が老衰で寝たきりになった時、大先生が頻繁に往診に来てくださいました。弟が小さかった時は、小児科担当の先生がいつも来てくださいました。
診察が終わると暖かいお湯を入れた「かなだらい」を運んでいたのを思い出します。先生方に手を洗っていただくためです。タオルで手をふきながら、先生方は、これから気をつけることを話してくださったり、ちょっとした世間話をしていらっしゃったり。
まだ幼かった私ですが、そんな風景を今でもはっきりと思い出します。
母の在宅介護の折にも二週間に一回、ご近所の先生が往診してくださいました。「かなだらい」を運ぶことはありませんでしたが、母の様子を静かに見守ってくださる先生は、私とって、とても心強い存在でした。
5月16日の長尾医師のコメント「医療の基本は往診、家庭医療にあります」に「そうそう」と心から納得した私でした。
http://apital.asahi.com/article/nagao/2014051600005.html
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