ず~っと前のこと。アメリカ、サンディエゴの「お母さん」に会いに行ったときのこと。
今のようには簡単に接続ができず、ローミングに四苦八苦してメールをチェックしていた私。仕事のあと、学生時代にお世話になった家でゆっくり過ごしていた・・・はずなのに、お母さんに言われてしまいました。「コンピュータを持ってくるようになってから、一緒にいるのに気持ちがここにない時があるみたいね」って。私の訪問を楽しみにしてくれている「お母さん」のそのことばにどきっとした私でした。
先日の新聞の投書コラムに、子育て中のお母さんが携帯電話を解約して半年がたった、と書いていました。赤ちゃんを育てる日常を、社会から隔絶され、取り残されるようで不安だったと感じていて、メールやSNSに没頭していたこと。2歳になったお譲ちゃんが、お母さんが携帯をさわると、退屈そうな不安そうな「何とも言えない表情をした」と感じたこと。子どもとの「今」を大切にするためにも、「大人中心の人間関係や時間感覚に身を置くのはもったいない」と思って携帯を手放したこと。
バスや電車の中で、スマホや携帯に夢中になっているお母さんの横で、つまらなそうにしている子どもを見るたびに感じていた違和感。この投書のお母さんは、それに自分で気づいて子どもたちとの時間をもっと大切にしようとしたのです。
便利なものが簡単に使える世の中だからこそ、何か忘れ物をしてしまいがちな私たち。目の前にいてくれる人が一番大事なんだよ、って、この投書は教えてくれています。
お母さんは文章をこんな風にまとめています: 「時代の流れについていけなくなるかもしれない。だけど、ほんのひとときのことだから、子ども世界という異国に移住した気持ちで、長女と1歳になる長男の2人の子育て期間を満喫したいと思う」
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