2011年度、お年寄りへの虐待(ぎゃくたい)が1万6700件あったという報告。家族や介護施設の職員による高齢者への虐待の総数ですが、そのほとんどの1万6599件が家庭内で生じたもの。虐待の加害者は、息子の割合が41%で最多、夫(18%)、娘(17%)。
「虐待」に至るまでの介護者の葛藤を思います。特に閉ざされた家庭の中で、介護・家事全てをこなす男性にとって、どうしても抑えきれない爆発があることも理解できる気がする私です。
日々の介護は、理性だけで続けられるものではありません。老いた親、特に認知症の親との生活では、冷静であろうとすればするほど、心の揺れが大きくなるものです。3年続いた私の介護生活でも、「いい娘」であろうとする自分が、とてつもなく「冷淡」で、「残酷」な気持ちを抱いていることに気がついて愕然(がくぜん)としたこともたびたびありました。
「虐待」という言葉は加害者が一方的に「悪人」であるイメージを与えますが、虐待が起こる背景をよく理解しなければいけないと思います。全ての介護者がプロを含めて多くの人とつながっているように、介護を家族だけでで抱え込まないように、システムがうまく動いていきますように。
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