ゆとろぎ=「ゆとり」+「くつろぎ」-「りくつ」
イスラム世界には「ショグル(労働の時間)」、「ラアブ(遊びの時間)」と、もう一つ「ラーハの時間」というものがあるそうです。国際日本文化研究センター前所長の片倉もとこさんがこの「ラーハ」というアラビア語の訳に「ゆとろぎ」という言葉を造語なさったのです。
ゆとろぎ文化を紹介した朝日新聞の記事はこんな風に書かれています。
日本では「ゆとり」や「くつろぎ」に、仕事で疲れたから休むという受け身のニュアンスがある。一方、イスラム世界には理屈抜きで、人生をいつくしむ生活感覚があるという。
「学ぶ、ごろんとする、眠る、家族や友人とともにいる、祈る、お客をもてなす、お香をきく、瞑想する、散歩や旅をする。詩歌をつくる、歌うなどが“ゆとろぎ文化”。それは人間として大切な時間です。」
“ゆとろぎ”(岩波書店)という新刊も出した。時間に追われ、目標に向かってただ突き進む「いけいけ、どんどん」の潮流の中で、「ゆっくり、ゆっくり」と声を掛け合いながら人生を楽しむ知恵を示している。
心豊かな人生を過ごすためのすてきな言葉に出会った気がします。
2 件のコメント:
まさに身に染みる言葉。昨日の「ありがとう」も。ともかくありがとさん。
去年、イスラムに関する文献の翻訳をしたことがありました。イスラムに関して「知らないこと」ばかりが書かれてありました。
私たちにとって不思議、または時には異常とも思えるほどの神に対する考え方も、長い歴史の中で育まれてきているのですね。
一つの文化、宗教が「優れて」いるのではなく、それぞれの良さを尊重していく生き方が大切なんだな、そう感じました。
近代文明の便利さからかけ離れたところであっても、本当に人間らしい生き方があるのでしょうね。私たちが忘れてしまっている何かを思い出させてくれる生き方が・・・
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